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こんなに優しくされたのは久しぶり

先日、長い人生でお初の手術は口腔外科でした。


子供なら全身麻酔ですけど、大人ならがんばりましょう局部麻酔に。
この病気はほとんど子供が罹患するでね。
脳も身体も衰えているが、若いってことかしらん。


手術前30分に到着。
可愛らしい看護師さんから体調チェックと流れの説明。
緊張のせいか血圧が高かった。



いよいよ手術室ゾーンへ、手術室部屋が並んでいた。
ドラマでみるステンレス製の自動扉を開けて部屋へ。


けっこう広い、20畳くらいあるかな。
流行りの音楽が流れていた。
えぇ~、こんな感じなの?


真ん中にデーンと歯科用の椅子がある。


血が付いて汚れたらと
コットンの甚平さんとヘアーキャップを付けられた。



(術後は軟らかいものしか食べられなかった)



口部分だけが開いている大きなシートを被せられて
まわりの状況が見えなくなると


医療ドラマと同じく、「今から〇△※▲~手術を始めます」と
イメージでは全員が手袋上に向けているな。


「手術は40分くらいです。話し声が聞こえますが気にしないでくださいね。」と


痛い麻酔をしていつの間にか切開されていた。
ゴリゴリ始めたら痛いのよ。
「痛いです」と訴えると麻酔を追加してもらった。



主治医は実況中継をするように話しながら進めていく。


「ごめんなさいね、ちょっと嫌な感じですよね」
「もうしばらくお付き合いくださいね」
とあくまで腰が低い。


看護師さんが、子守歌を歌うように優しく手を撫でたり、手を握ったままにしてくれる。
こんなに優しくしてくれていいのかと思う。



術中に「縫う糸はどれにする?」
「うわ、スゴイ」とか声がするので、すごく気になるよね。



音楽が止まった。
どうやら予定時間より長くなったのである。
少ししてまた曲が流れ始める。


やっと「閉じますね」と言葉が発せられた。


これが超絶痛かった。
麻酔は切れかけだし、口内上あごを7針も縫うんだもん。



あいみょんの「裸の心」が流れている。
心の中で歌っている、応援歌だ。





やっと解放された、1時間20分、予定の倍であった。


集合歯牙腫というものが上顎に入っていた。
歯の卵のようなもので、30個位並べられていた。



椅子から立ち上がろうとしたら、看護師さんが慌てている。
どうやら血圧が上がっているので車椅子を用意してもらう。
血圧が下がるまで学校の保健室のようなベッドでしばらく休憩。


このことを待っている相方に伝えに行ってきますと看護師さんが退室した。



小走りの看護師さんが
「すいません…」相方に向かって語りだした途端、
相方は「時間がかかったし何かがあったんだ」と気が動転して倒れそうになったそう。
一人っ子で私がいなくなると天涯孤独になるもんね。



それにしても医療スタッフは素晴らしい。


お世話になったのは市内で最も大きなコロナ患者受入病院で、
感染拡大のなか日々たいへんなご尽力されている。


若くてテキパキとしっかりしているしとにかく優しい。
こんなにみんなから優しくされたのは久しぶりだ。
日帰り手術でも心寄り添う医療体制。


「また、来週ね」と主治医は明るく見送ってくれた。


日本のミライは少し明るい気がした。